20代で転職を考える時、「できれば年収を上げたい」と思うのは自然です。ただし、年収アップだけを目的に求人を見ると、入社後に続かない仕事を選んでしまうことがあります。大切なのは、年収が上がる理由を分解して考えることです。基本給が高いのか、残業代が多いのか、インセンティブがあるのか、昇給制度があるのかで、働き方はかなり変わります。
データで見る20代転職と賃金変動
厚生労働省の令和5年雇用動向調査では、転職入職者全体で前職より賃金が「増加」した割合は37.2%でした。一方で、20〜24歳は52.3%、25〜29歳は44.4%と、20代では全体平均より高い割合になっています。
ただし、このデータは「20代なら必ず年収アップできる」という意味ではありません。増加した人がいる一方で、変わらない人、減少した人もいます。だからこそ、求人票の想定年収だけで判断せず、仕事内容、評価制度、残業、インセンティブ、次の昇給条件まで確認する必要があります。
出典: 厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」転職入職者の状況(表6 転職入職者の賃金変動状況別割合)
年収アップは希望額だけでは決まらない
転職で年収を上げるには、希望年収を伝えるだけでは足りません。企業側は、入社後にどんな役割を任せられるか、どのくらい早く戦力化できるか、長く働けそうかを見ています。20代の場合、完成された即戦力だけでなく、伸びる可能性や吸収力も評価されます。ただし「やる気があります」だけでは弱いです。
評価されやすいのは、今までの仕事で続けてきた行動です。たとえば顧客対応、数字管理、納期管理、改善提案、後輩フォロー、トラブル対応などは、職種が変わっても活かせる可能性があります。年収アップを狙うなら、自分の経験を次の職種でどう使えるかまで言語化する必要があります。
20代が見るべき求人条件
求人票を見る時は、月給や想定年収だけで判断しない方が安全です。まず見るべきなのは、仕事内容、評価制度、残業時間、休日、研修、配属後の業務範囲です。たとえば想定年収が高くても、固定残業が長い、インセンティブ比率が高い、ノルマが強い、休日が少ない場合は、生活との相性を確認する必要があります。
一方で、最初の年収が少しだけ上がる求人よりも、2年目以降の昇給ルートが明確な職場の方が合う人もいます。20代は短期の年収だけでなく、次の3年で何が身につくかを見ることが重要です。
未経験転職で年収アップを狙う時の現実
未経験転職でいきなり大きく年収を上げるのは簡単ではありません。ただし、職種や業界を選べば、将来的に年収を上げやすいルートに入ることはできます。営業、ITサポート、カスタマーサクセス、施工管理、法人向けサービス職などは、経験の積み方によって収入が伸びる場合があります。
未経験転職で年収アップを考える時は、本人の努力だけでなく、入る産業の賃金水準も見ておく必要があります。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、産業別の賃金は、電気・ガス・熱供給・水道業が437.5千円、金融業・保険業が410.6千円、情報通信業が391.0千円である一方、宿泊業・飲食サービス業は269.5千円と差があります。
つまり、未経験でいきなり高年収を狙うよりも、経験を積むことで評価されやすい産業や職種に入れるかを考える方が現実的です。営業、ITサポート、カスタマーサクセスなどは求人ごとの差が大きいため、業務内容、研修、評価基準、次の昇給条件をセットで確認しましょう。
出典: 厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」(産業別にみた賃金)
ただし、向いていない働き方を選ぶと長続きしません。人と話すことが苦手なのか、数字を追うことが苦手なのか、外回りが苦手なのか、細かい確認が苦手なのかを分けて考えるべきです。「年収が上がりそう」だけではなく、「自分が続けられる形で伸ばせるか」を見ることが大事です。
面接で年収アップをどう伝えるか
面接で年収の話をする時に、「今より高ければいいです」と伝えると、条件だけで選んでいる印象になりやすいです。伝えるなら、希望年収とあわせて、なぜその仕事で成果を出せると思うのかを話します。
たとえば「前職では顧客対応と提案を継続してきたので、御社の営業職でもまずは顧客理解と行動量を大切にしたいです。将来的には成果に応じて年収も上げていきたいです」のように、仕事内容への接点を入れると自然です。
希望年収は、現年収、最低希望、理想、譲れない条件を分けて整理しておくと話しやすくなります。条件交渉は感覚ではなく、求人条件と自分の経験をもとに考える方が失敗しにくいです。
よくある失敗
よくある失敗は、年収だけを見て応募し、仕事内容を深く確認しないことです。もう一つは、未経験なのに高年収だけを求めて、評価される材料を準備しないことです。企業は年収に見合う役割を期待します。だからこそ、応募前に自分の経験、希望条件、避けたい働き方を整理しておく必要があります。
また、求人票の「モデル年収」をそのまま自分に当てはめるのも危険です。モデル年収は特定の成果や役職を前提にしている場合があります。初年度の条件、昇給条件、評価タイミングを確認しましょう。
応募前に整理しておくとよい三つの数字
年収アップを考える時は、現在年収、最低希望年収、理想年収を分けて書き出します。さらに、残業時間、休日数、インセンティブ比率も確認します。月給だけを見ると上がったように見えても、労働時間が大きく増えるなら実質的な満足度は下がることがあります。面接前にこの三つの数字を整理しておくと、条件交渉でも感情的にならず、求人を比較しやすくなります。
特に20代の場合、今すぐの年収だけでなく、半年後や一年後にどのスキルが身につくかも重要です。短期的に少し上がる仕事より、評価基準が明確で次の昇給が見える仕事の方が、結果的に年収アップにつながることがあります。
まとめ
20代の転職で年収アップを目指すなら、年収額だけではなく、年収が上がる仕組みを見ます。仕事内容、評価制度、働き方、将来の伸び方、自分の続けやすさを合わせて考えることが大切です。
今の経験をどう次の仕事に活かせるか、どの求人なら年収アップと働きやすさを両立できるか迷う場合は、応募前に整理するだけでも選び方が変わります。SUTEKI BANKでは、20代の転職相談として、求人の見方や年収希望の整理も一緒に確認できます。
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