AIで職務経歴書を作る人は増えています。文章を整える、経験を言い換える、自己PRのたたき台を作る、という意味ではAIはかなり使えます。ただし、AIが作った文章をそのまま提出すると、きれいなのに中身が弱い職務経歴書になりやすいです。採用担当者が見ているのは文章の上手さだけではなく、どんな場面で、どんな役割を持ち、何を工夫し、次の仕事でどう再現できるかです。

AIに任せてよい部分と、任せすぎてはいけない部分

AIに任せてよいのは、文章の整理、見出しの作成、経験の言い換え、誤字脱字の確認です。たとえば「接客をしていました」という経験を、顧客対応、状況把握、提案、クレーム対応、業務改善のように分解することは得意です。一方で、実際にどんなお客様を相手にしていたのか、何件くらい対応していたのか、何を改善したのかは本人にしか分かりません。

職務経歴書で弱くなりやすいのは、AIが作った抽象的な言葉だけが並ぶケースです。「コミュニケーション力を活かしました」「課題解決に取り組みました」だけでは、どの職場でも言える文章になってしまいます。AIを使う時は、必ず自分の具体例を足す前提で使うべきです。

職務経歴書 aiで確認すべきポイントのチェックリスト
AIで整えた職務経歴書を提出する前に確認したいポイント。

まずAIに渡すべき情報

最初にAIへ渡す情報は、職種名や会社名だけでは足りません。最低限、担当業務、対象顧客、対応件数、使っていたツール、工夫したこと、困った場面、成果や変化を箇条書きにします。数字がない場合でも、「新人教育を担当した」「繁忙時間帯の対応を任された」「予約や問い合わせの整理をした」のように役割を書くだけで文章の精度は上がります。

おすすめの入力例は次の形です。

この材料を入れてから「未経験転職向けに、職務経歴書の職務要約と自己PRに整理してください」と依頼すると、AIの出力がかなり実用的になります。

そのまま使うと落ちやすいNG例

NGなのは、どの応募先にも同じ文章を出すことです。AIは読みやすい文章を作れますが、応募先の仕事内容との接点までは自動で判断しきれません。営業職に応募するなら、顧客対応、提案、数字管理、継続的な関係構築に近い経験を前に出すべきです。事務職なら、正確性、スケジュール管理、入力、確認、社内調整を前に出します。

もう一つのNGは、実績を盛りすぎることです。AIは強い表現に寄せがちです。「売上に大きく貢献しました」と出てきても、自分で説明できないなら面接で詰まります。職務経歴書は面接で深掘りされる資料です。自分の言葉で説明できる範囲に戻すことが大切です。

未経験転職では、経験を職種名ではなく行動で言い換える

20代の未経験転職では、同じ職種経験がないことも多いです。その場合、職種名を無理に近づけるより、行動を言い換えます。たとえば販売経験なら、顧客の希望を聞く、選択肢を提示する、在庫や納期を確認する、クレームを一次対応する、という行動があります。これは営業、カスタマーサポート、事務、採用アシスタントなどにも接点を作れます。

AIには「この経験を、応募職種で評価されやすい行動に分解してください」と依頼するとよいです。ただし最後は、応募求人の仕事内容と照らし合わせます。求人に書かれていない強みばかり並べても評価にはつながりにくいからです。

使えるプロンプト

職務経歴書をAIで作るなら、次のように依頼します。

「私は20代で、次に未経験で〇〇職へ応募したいです。これまでの経験は以下です。採用担当者が読みやすい職務要約、職務内容、自己PRに分けて整理してください。ただし抽象的な表現だけにせず、面接で説明しやすい具体的な表現にしてください。」

さらに添削では、次の依頼が使えます。

「この職務経歴書を、応募先の仕事内容との接点が伝わるように改善してください。盛りすぎている表現、抽象的すぎる表現、面接で深掘りされそうな表現も指摘してください。」

提出前に確認したいこと

提出前には、AIが整えた文章を声に出して説明できるか確認します。面接で聞かれた時に、自分の言葉で背景、工夫、結果を話せない表現は削るか直します。さらに、応募求人の仕事内容を見て、本文の上から三つの強みがその仕事に関係しているかを確認します。職務経歴書はきれいな文章より、面接で会話が広がる材料になっているかが大切です。

まとめ

AIは職務経歴書作成の強い味方です。ただし、AIに丸投げするのではなく、自分の経験を分解し、応募職種との接点を作るために使うのが現実的です。文章をきれいにすることより、採用担当者が「この経験なら次の仕事でも活かせそう」と判断できる材料を入れることが重要です。

職務経歴書をAIで作ったあと、自分の経験と応募求人に合っているか不安な場合は、第三者に見てもらうと精度が上がります。SUTEKI BANKでは、応募前の段階でも、経験の整理や職務経歴書の方向性を一緒に確認できます。